人に合わせるのが苦手なアナタへ

【スキルはね、本質じゃないんだよ】

ということに気づいてから、私はブログで言葉が書けなくなった。

私は30代前半くらいまで、おそらく「スキルを身につけたらそこそこなんとかなる」と思って生きてきた。多少苦手くらいであれば、たとえやりたくないことでも、教わり、トレーニングし、身につければ平均くらいはいく。と。

好きなことならなおのこと、スキルを身につければ身につけるほど成長する、と。

でも、あるとき「スキルはその人自身の本質にはとうてい、勝てない」と気づいた。ここでいう本質とはなにかというと、「今そのままですでにある自分」のことだ。今考え、今感じ、今現在もうすでに行っている自分自身にあること。

たとえば、ダメと言われてもつい行ってしまうところ。気づいたら集めてしまっているモノ、しゃべってしまう言葉、やってしまっている行動。これが本質。

スキルを身につける過程で、もがいたり、自分をひっぱたいたり、なだめすかしたり、説得したり、モチベーションとやらを湧かせたり、そういうことをやりまくってやりまくって…。こういうことに回すエネルギーというのは、限界があるということに気づいた。そう、枯渇したからだ。

本質は、気づいたら動いている。本質は、どうあがいてもそっちへ持っていかれる。激流いかだ下り。そういうものだ。必死こいて身につけるスキルは、本質に比べたら叶えられることなどゴミみたいなものなのかもしれない。

もちろん、スキルは使いようなので、本質に沿ったスキルならば身につけたらよろしかろう。と思うが、本質に沿ったことというのは、外からむりやり引っ張って学んでこなくても、内側から知的欲求、体感欲求として、よどみなく湧いてくるんだ。おそるべし。本質にドンピシャ合っていたら、「身につけている」という意識すら希薄なくらいだ。

抽象的だけど、言いたいこと伝わるだろうか。

で、タイトルの「人に合わせる」ということについてだけども。

私はどうも、本質「人に合わせる」ということをが異常なほどまでに苦手らしい。
ただ、上でいうスキルを身につけて、ある程度はできるようになった。今いる場の空気の流れをよーく観察する。人の話を聞く。参加者の特徴をつかむ。そして求められそうな(もしくは無難な)ことを言う。
などなど、と考えてはいるものの。雑談の会話内容が、今ちまたで話題の○○…なんてときは、なんて言っていいか分からずアタマ真っ白になる。マジで危機感を感じるほどに、会話が入ってこないし、言葉もノドが詰まって出てこない。物理的に気道が詰まるんだよ、マジで。これに関してはスキルでどうこうできる範囲じゃない。

その逆に、人のタイミングより異常に早い段階で、しれっと行動を起こすこともある。これも人に合わせようとするとカラダががちがちになる。道路を横断するときにたとえるなら、左右を見て誰もまだ渡ってる人がいなくても、一足先に踏み出しがちだ。
たとえとして思い出したのが、高校などの模擬テストの時間だ。自分が「もう解答し終えた」と思ったら、許されていればサッと立って教室を出る。みたいなこと。テストの時それをやってたかどうかは記憶にないんだけどw そこで「人より早く立ったらどう思われるだろう」とかそういうのより早く、自分のタイミングがくる方だ。飲み会が終わったな、と思ったらサッと帰る、とか。アイデアができたな、と思ったらすぐにトライしてみる、とか。

いずれの行動もいいか悪いかは好みの問題なので置いといて。
私自身、スキルを活かして「人に合わせよう」ってやってるときは、見た目上、悪いことは起こらないように見える。でも、いい面もそこそこしか出せない。プラマイゼロ。なにも起こらない。つまり、その場では「実にどうでもいい人」になっちゃうんだ。

で、そこに私と真逆の人がいたとする。
その人の本質は「人に合わせること」だとする。空気をつかむのも自然だし、人と人をスムーズにつなげる。場を盛り上げる。そういうのがそもそも好きで仕方ない。そういう人はスキルなんかじゃなく、本質的にそうなること自体を愛しているので、かなうわけがない。そもそも闘おうとするのが間違いだがw

つまり、スキルというのは本質に比べれば付属的なもの、ととらえるくらいの温度がいいんじゃないか。そう思うようになった。もちろんないよりはあった方がいい。でもそのくらいのもの。そして、自分の人生を根底から動かせるのは、おそらく、抑えてもあふれ出る本質の方だけだ。

私はブログが書けなくなるときまでの思想は、スキル推しだった。そのときは心から、それが人を変えると思っていたような気がする。もううろ覚えだけど。

でも、100も200もスキルを集めるくらいなら、自分の本質をつかんだ方がいいと今は思う。そっちの方が、結果的に他人の本質も見えるようになるし、尊重できるようになる気がして。そして、本質をもとに、本質に沿って生きた方が、きっと誰だってゴキゲンなんじゃないだろうか。みんなに聞いたわけじゃないけど、私はそう思っている。

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