新しいことを始めるフラストレーションが、価値に変わるとき。

私は、好奇心があちこちに飛ぶ。
ゆえに、「これまで取り組んでいたことを離れたり辞めて、新しいステップに取り組む」ということを何度も繰り返してきた。

たんにシゴトを辞めて別のシゴトに取り組むとかもある。価値観が変わって、何かをスタートする「やり方」を変えるということもある。新しい趣味に取り組もうと思って何度もやめたりもしたw

新しいステップに取り組むのは、これまでの慣れ親しんだことを続けるより、なかなかに大変だ。ただ、私の場合は、もともと飽きやすく、メンタルも強くなかったのでどんどんと変える方が性に合っていると感じていた。むしろ、新しいことをするたびにワクワクしてたもんだ。

けど、それでもこれまでの経験が積み重なるほどに、まっさらな紙になにかを描き始めるのはめっちゃエネルギーがいるんだ、ということが分かってきた。しかも、これまでの私を知らない人にとって私は、「そのへんの女」以外の情報がない。でもそれなりに人生経験はある。だから、早いとこ何かを成し遂げて見せてやろうと、焦ることもあった。

でもね。「早く成し遂げること」そのものには、実は自分が思っているほどの価値はない。せいぜい、自分が一瞬褒められるくらいだ。
いざ、新しいステップが軌道に乗るにしたがって、それが分かってきた。慣れてきたころ周りを見渡すと、「だいたいそれが同じくらいできる人」が自分くらいの目線にたくさんいることが分かってくる。そしてまた、以前と同じ繰り返しが待っているのだから、

つまり、新しいことを始めてフラストレーションを抱えているときは、むしろいちばん財産を拾っているのではないか。そう思うようになった。

たとえば、フラストレーションその1。
視界が晴れない。次が見えない。仮にアタマでは「ああやって、こうやって、次はこうなるんだろう…」とイメージできても、肝心のカラダがついてこない。ちょっとくらい他の経験があるばっかりに、できるような気になってしまうが、それは気分だけだw 無情にも時間は過ぎていく…。

たとえば、フラストレーションその2。
自分よりできなさそうな人が自分を追い抜いていく(ように見える)。別に成績表が貼られるわけでもないのに、なんだか自分にだけ新しいことがなじまないような気になってしまう。前のことはあんなによくできたのに、と過去にココロが持っていかれる。

たとえば、フラストレーションその3。
ある程度慣れたころに、とつぜん能力が伸びなくなる。何を教わっても分からない。分かっている気がするのに実際にできない。疲れがたまってやる気がない。やった甲斐が感じられない。

新しいことに取り組むのって、本当に大変だ。

でも、何度も新体験をしていくうちに、こういう1・2・3みたいなことを抜ける時間は、確実に早くなっていくのだと思う。もどかしさを感じながらも、「抜けれた体験」が1度でもあるなら、それをイメージしてやり続けられる。壁がきても、ああ、あれねと思って辛抱することができるようになる。たとえ老化で多少能力が落ちようとも、そのメンタルがある方がはるかに強い。

そうなってくると、今度はそのフラストレーション自体が貴重な体験になると思うんだ。

はじめたての頃    慣れてスムーズになった頃

この間に、架け橋をかけることができるのは、フラストレーションを味わった人だけだ。場合によっては、近道の橋を案内できるかもしれない。今まであったよりも、もっと緻密な架け橋をかけてあげれるかもしんない。それはまさに、自分がかつて味わったフラストレーションの解消になる。

はじめたての頃 ===== 慣れてスムーズになった頃

その橋の手前で悶々としている人がいるなら、かならず越えられると、信じて見守ることができるのも、フラストレーションを味わった人だけだ。それも、数多く味わっていればいるほど、いろんな人の心が拾える気がする。その時に味わってきた、いろんな不安や不快な感情を、多少なりとも共有できるかもしれない。
その道に、たとえ近道などないにしても、信じて待っている人がいるだけで、なんだか進める気になるもんだ。

そのときべつに、相手の手を引っ張ったり、尻をたたいたり、大声で励ましたりする必要すら、ない。教えてほしいと言われたら教えたらいいとは思う(笑)。けど基本的には、信じて、リラックスして眺めていればいい。本当に信じていることは、手をくだし過ぎずに見てることで伝わるから。

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新しいことを始めるときのフラストレーション、思ったように進まないギャップってのは、年齢を追うごとに実は高まってる気がする。誰でも年をくうってのは、自分にも当てはまることだったよw 知らなかったw それでも、まずは自分自身を待てるようになった。自分が待てたら、ひょっとすると身近な誰かのことも少しだけ待ってあげられるかもしれないと、思っている。

Photo by Dan Gribbin on Unsplash

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