結婚する前、旦那くんと一緒にイベントをする機会があった。
当日、思いのほかの大雨で、しかも予定より会場に着くのが遅れそうになり、私は急いでいた。それを見た(現)旦那くんが、「後ろ姿めっちゃプリプリしてたで」と、あとで言った。
イライラしているのが伝わってきたらしい。しかも当時太ってきていたので、ケツが急ぐたびにプリプリしていたとww その二重苦がめちゃ笑えたが、言えないくらい私はピリピリしていたらしい。今では笑い話。
そこから、彼は気づいたらしい。
「どうやらこのヒト(私のこと)は、思っている以上にいろんなことに『急(せ)いて』生きてきたらしい」、ということに。私もそれから、いろいろ発見をした。
これまでも私は、急いていたばかりに
皿を割る
ものを床にぶちまける
足を角にぶつける
忘れ物をする
体調を崩す
というふうになる。着地しようとした地点よりも、はるかに遅れるハメになる結果を多々、産んでいた。
めっちゃ一生懸命走っているのに、進まない。たどり着かない。逃げられない。
そういう夢を誰しも1回くらいは見たことあるんじゃないだろうか。そういう心境を毎日感じていた。
…ということは、結婚した後に、強制的にスローな毎日を送るようになってようやく自覚しだした気がする。
ちょっとでも焦ってる風に見えると、すかさず旦那くんから
「ゆっくり~」
という言葉が飛んでくる。
ハッと気づいて、また集中してしばらくすると焦っている。また
「ゆっくり~」
という言葉が飛んでくる。
長年のクセは実にガンコだ。忘れては、思い出し、忘れては、思い出し。深呼吸して、わざとのようにゆっくりと動作を取り直す。
その繰り返しで、だいぶ悪い結果がなくなってきた。
今も焦ることはなくなったワケではない。だけど、そもそも急がずにぼんやり、のんびりしていて、そこに違和感を感じることがほとんどなくなってきた。
おそらく、今の私は「飄々と」生きているように見える人も多いだろう。
そこから新しい世界がひらけてきた。
「ゆっくり~」と言いながら何かをすることによって、これまでは手にもつかなかったことが徐々にたくさん、できてくるようになったのだ。