不老不死は果たして幸せなのか。

日記とは思えないタイトルだが、安心してほしい(笑)。
数日前に、新しいゲームを始めた。

うちには、徐々にゲーム機やソフトが増えていってる。
ほとんどが、旦那くんが結婚前からうちに持ってきてくれてたものだ。10年前はもちろん、20年前のスーファミなどもあり、いまもちゃんと動作してくれてる。

私はRPGがお気に入り。アクションゲームをやる反射神経がない、とも言う。
なので、数あるソフトからRPGを選んで、2~3か月に1回クリアしていってる感じだ。最初にクリアしたものから3年くらいは経ったかな?でもまだやってないソフトが、遊びきれないほどのボリュームがある。ウハウハだ。クリアしてもまた2回目やり直したいものもあるから、当分は死ねないw

で、こないだ始めたゲームの話だ。
タイトルは、『ヴィーナスアンドブレイブス』。名前くらいは聞いたことあったが、中身はなにひとつ知らなかった。

私はRPGといえば、長らくドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのシステムしか知らなかった。仲間を集め、みんなで成長していく。
が、この世界もまた広い。
今度のゲームは、 初めて聞いた 、「世代交代RPG」というジャンルらしい。
一人主人公だけが不老不死でめちゃ長寿で、その他のメンバーは老化して能力が衰えたり、死んだり離別したり結婚したりするらしい。

ゲームオーバー的な「死」ではなく、二度と巻き戻せないたぐいの、「死」。だから、生き返らない。今まで知ってたRPGだと、ストーリー内の重要シーンでしか起こらなかったんだけど、このゲームでは当たり前に起こるらしい。

老化してヨボヨボになったら、ステータスもみじめなくらいに撃沈する。だからできるだけ若い奴を仲間にしようとしたりする。リアルかよ。年長差別かよ。年齢的には「初老」のわたくしは、ちょっと切なくなる。

まだゲームの進みぐあいはまったくの序盤。でもいきなり引き込まれるストーリーだった。

どうやら、人間にとっての永遠のテーマがこのゲームの軸みたいだ。
今理解した範囲では【不老不死と、有限の命】。

不老不死は、これまでの歴史上、ずっと人間が憧れてきたもののひとつだ。死ぬことがなければどんなに安心だろう。ずっと若いままでいられたらどんなに嬉しいだろう。って。私もそう思う。

でも、それって、同じ時間軸を共有できる誰かがいるからだ。
自分だけ不老不死で、寿命のある人々を永遠に見送りつづけなきゃいけないとしたらどうだろう。それがこのゲームの主人公。
自分だけ不老不死だったら、寿命のある人々が価値とするものを感じることができない。
自分だけ不老不死だったら、寿命のある人々と同じ重みのある時間を共有できない。
自分だけ不老不死だったら、生きがいもはるか遠くの目的を設定しないと得られないかもしれない。

永遠にうっすらと寂しさや切なさを抱きながら生きるのかもしれない。
実際に不老不死の人間は今のところいないわけなので、想像に過ぎない。けど、このゲームをやっていると、「制限のあること」がいかに愛しく価値があり、文字通り「血が通っている」ことなのか。

誰もが望むかのように見える「理想的なもの」は、実際手に入れた者にとっては忌まわしいモノに過ぎない。 それを疑似的に、感じることができる。不老不死でなくとも、手に入れてみたら色あせるものってたくさん世の中にあるので、そういう意味でも共感できるんだな。

とか、話がデカくなってきたが、いうてもまだ序盤だ。5時間くらいしかやってないぞw

しかし、壮大だ。フィールドをわずか3分も歩いたら1年経ってしまうこのゲーム。数時間やったら10年だ。どこまで展開するか想像もつかないが、旦那くんによるとかなり感動のフィナーレらしい。たのしみだ。

無情なほどアッサリ時が過ぎるので、ムダにウロウロできない。

*****

ハタチ前後くらいの時か、大人になってゲームをしない時期があった。
ゲームの中なんて所詮、疑似体験。実際に自分の身を投じて人生を生きることに比べたら価値なんてないことだと。いっときそう思っていたし、たしかに生身で感じる、そういう時期が始まらないと人生がすすまない。

で、いっとき生身を投じて人生を味わったからこそ、ゲームにおいて別の人間の役割を疑似体験することの味わいが何倍にも増すなと思った。この人生ではどんなに活躍の場を広げても、「香澄」という人生を生きた、いち役割からの視点になってしまうからね。
で、ここで体感したことをもとに、また生身の体験に戻っていくと、違った視点が加わって立体的に見えてくるんだろうな。

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