あなたのところに集まる人の「暗黙の前提」とは?

先日、Facebookにこんな投稿をしてみました。

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好きなことを始めた当初は、
ただただそれに取り組むのに楽しかった。
誰が見てようと見てまいと没頭した。

でも徐々に、
「投資を回収しなきゃ」
「そうはいっても生活できないと」
「結果を出さないとただの夢見がちな甘い人じゃね?」

とか変にストイックな考え方に陥って
(それって正しいことに聞こえるからね)
だんだんと当初の楽しさや初期衝動を忘れていった…
なんて経験のある人いない?(それ私w)

対象への愛と利益を混同すると、
ほんとうに私のやりたかったことはなんなのさ?!
ってわけわかんなくなっちゃう。

「好きなことを仕事にするとキライになるよ」
なんて世間一般の考え方を信じなくていいと思うよ。
趣味にだって、それこそテレビゲームにだって、ステージ越えるときにはカベはあるんだから。

昨日、思った。
きっと想像している以上に、結果重視の考え方に苦しんでいる人っているんだって。
きっと想像以上に、利益なんか度外視して、自分と自分の好きなこと・人に、徹底して向き合いたい人っているんじゃないかって。

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で、自分が書いたこの文章に対して、後から考察を加えてみました。

私の投稿に反応してくれる人ってのは、ある程度共通して上のような認識というか前提を持ってるんじゃないか?と思っています。ただ、今までは言葉にならなかったからうまく言えたなかっただけで、言語化できたからそう思えたんですけどね(笑)。
で、この投稿が心にひっかかるのはなぜか?というと、好きなことを仕事にしようとする時に、多くの人が意識的に持つであろう認識とは少し違うからです(あくまで心の底では思っていても、意識にのぼっている人は少ないという意味です)。
よく、ビジネスを始めた人が言う(キレイ)事、

「投資を回収しなきゃ」
「そうはいっても生活できないと」
「結果を出さないとただの夢見がちな甘い人じゃね?」

これって説明されるまでもない。当ったり前にみんなが持っている前提なわけですよ。なぜなら!!!(って力説するまでもなく 笑) 私達は資本主義社会に生きているわけで、そこには暗黙に「できるかぎりの利益の最大化」「右肩上がり」「自分の分け前は自分で稼ぐ」、という前提があるからです(まあだいぶ崩壊していますが)。
学校とか職場で、明快にそれを教えてくれるわけじゃありません。でも、ことあるごとに大人たちが発するメッセージには、上記のような暗黙の前提が含まれています。実際にその人達ができているできてないは置いといて、それが当然、と思いたい社会。で、いち個人メッセージを発するときに、その大きな「前提」に気づかずに、乗っかったそのままを発しても、たいして響かないんじゃないか?と思うわけです。

よく話題になるキャッチコピー「愛され○○」なんかもそうで、個人が言っても大してメリットを感じさせにくい。なぜなら、愛されないより愛された方がいいのは誰にとっても自明の理すぎて、今さら個人が言うまでもないから。だからそういうメッセージを発しようとするなら、必要以上に膨大な「私は愛されていますよー!」という力説が必要になってくるわけです。

稼いでますよー!とかも同じ原理。そうじゃないと誰も聞いてくれないし、わざわざあなたに聞く理由がないから。だからそういうメッセージを発しはじめたら、どっちがエラいか?みたいな競争になりがちなんですよね。

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ちなみに私は冒頭の、利益度外視しようぜメッセージを、聞いてもらおうとして書いたわけじゃありません。ずっと「その状態」なだけ。私自身はずーっと、それこそ子供の頃から、利益を最大化するいわゆる「腹黒い」と言われる行動の意味が分からないタイプでした。むしろ自分にとってはメリットを最大化してまで自分を裏切ることは、損しかないとずっと思っていた。

そんなふうに、そもそも思っていたことが、多数が持つ「暗黙の前提」から外れていたわけです。ずーっと、ずーっと。今の時代は多数から外れてようが、だいぶそれが言いやすくなったから言えてるだけのこと。
世の中が持つ前提と、自分が持つ前提がどこがどうずれているかを自覚すれば、自分がメッセージを発する意味が出てきます。そして、その意味を自覚すればするほど、世の中に合わせる必要がなにもなくなってきます。

「世の中」、と大きなくくりでいいましたが、コミュニティ単位でもそれは同じこと。あるコミュニティのリーダーが発している「前提」に乗っかって、それと同じようなことを言ってるだけじゃ、あなたがメッセージを発する意味は薄らぎます。少なくともその意義は、コミュニティの規模÷人数分に薄まってしまうわけ。

だから、自分の近くにいる人たちが持っている「暗黙の前提」をいかに嗅ぎとって、そこから自分がズレている部分を見つけることが大事です。まったく同じ人なんて本当は2人といないから、ズレがあって当然。勇気はいりますが、そこが何よりのあなたの価値なんじゃないかと思います。多くの人は見つけらんないし、見つけても発することなんてほとんどないんだから。

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