味覚が感性を開く。自分の「美味しい」に正直になろう。

ここ3年くらい、自分の生活で重要視しているのは、「食」です。

なぜなら、「食」を豊かにすることで、感性が開かれてくと実感したから。自分が何が好きで、何が嫌いで、どういう方向に進みたくて、昨日と今日の気分は何がどう違って。

そういうココロの声をキャッチする分かりやすいキッカケが、食だと思うんです。

かといって、高級なものを食べようとか、ジャンクなものはNGとか、肉辞めてビーガンになろうとかってわけじゃありません。私的には無理。ちなみに、ハタチの頃アトピーで、肉辞めたことはあるけど、ツラすぎた…( ノД`)

むしろそういう決め事を作るんじゃなく…。

自分の身体のセンサーに正直になるため。その時々で、本当の本当になにが食べたいかを、丁寧に体に聞いていくという意味での、食の重要視です。

 

私は3年前、思った以上に、身体の感覚よりも頭の「情報」をもとに、食べ物を選択していました。

本来、具の品目が少ないパスタですら、1品目でも多く食べようという基準で探していたり。…ってことをしていると、カルボナーラとかいつも食べられないわけです。だいたい卵とベーコンと乳製品でしょ。でも、食べたいなら食べればいいのに。

結果、たくさん食べてるのに、いつも何か満足しない感じを抱えていたんですよね。

 

3年前というと、ちょうど福岡から大阪に越してきた時なんですが。実はそれ、美味しいお店をいっぱい見つけたというのが一つの動機です。その時ちょうど、自分の食事に対するアンテナの貧しさを改善しようとしてました。

チェーン店ですらランナップが違うので、いろんなお店にチャレンジしました。

ただ、美味しいお店だからといって、いつも身体のセンサーに合致するわけじゃありません。昨日と今日では、身体から返ってくる声が違うこともあります。それに敏感になること。

 

たとえば…。

太ってることを気にしているけど、本当はお肉が食べたいんじゃないかとか。

お金がないから自炊しようと思っているけど、本当は今日はそんな気分じゃないんだとか。

逆に、今日はいつもの好きなお店でも、飲みに行ったら胃が壊れるんじゃないかとか。

なぜか、23時なのに無性にカップラーメンが食べたい気分なんだ…!とか。

お野菜でお腹いっぱいになったから、今日はメイン(肉・魚)はいらないとか。

 

こういう感じ。ほんのちょっとでも、無視しないことが大事です。いくらお寿司が大好きでも、受け付けないときだってあるんです。また、お店の雰囲気もワイワイガヤガヤがいいのか、しっとりお上品がいいのか。店員さんのキャラは?などなど。

こうやって微細なリクエストに応えていくこと。

 

***

 

3年前当時は、ものすごく仕事もしていて走りぬいてました。人脈もたくさんつくってました。でもその割には、身体も心も、お財布も、なにかと報われない想いが詰まっていました。

思うとその時はものすごく、味覚がバグってたんですよね。

「美味しい」という気持ちにあまり正直じゃなく、なにかと理由をつけて、いつも自分的に「無難な」「コスパのいい」ものばかり食べてた。

そうすると、料理がいっこうに上達しません。「美味しい」という確かな感覚が自分の中に芽生えていないから。あとお塩を何さじ入れたら成立するのか、その基準を自分の中に打ち立てられていないからです。今思えば。

「美味しい」って最終的には、感覚なんですよね。自分がいいと思えばいい。そこに理由なんてない(逆に、食べログ4.5だから、なんて理由がきたら、自分に問い直した方がいいくらい(笑))。それを信じられるかどうかが、「美味しい」には宿っています。

それと、これもすごくリンクするんですが、人生もどことなく、自分の感覚で決められていないと感じるんですよね。決めたつもりでも、権威とか周りとか、経験の長い人とかに押されてしまってたんです。

 

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大阪に来て1年ほどしたときに、珈琲焙煎士の山口さんとお知り合いになりました。私はその方の珈琲モニターに参加したんですが、そのときに味覚についてのアンケートを送っていただきました。

このコーヒーには甘みは、酸味は、苦味は、コクはどのくらい感じますか?などなど。

コーヒーなんて奥の深い世界、分からないよな…と思いつつも、正直な感想を書いた記憶があります。だって、コーヒーが好きだから。

で、今ではあまり覚えていないんですが…おそらくそのモニターが終わったあたりの頃、山口さんから送られたニュースレターだったかな?それに書かれていたこと。

◆あなたが美味しいと思ったコーヒーが美味しいコーヒーなのです。

という内容でした。こういう文章だったかどうかはうろ覚えですが。

当然、豆の種類からレア度、焙煎から、選び抜かれてお詳しい方です。「この豆は賞を取った」などコーヒーの品種や権威、価格にも通じていらっしゃるでしょう。

でも、そこじゃないと。本当に美味しいのかどうか、自分で味を感じよう、そして感じていいんだよ、というメッセージでした。コーヒーは「通」にしか分からない、そういうクローズな世界じゃないんだよって。

 

そんなこともあって、味覚にはすごい敏感になってきています。かといって今だに美食家でもなんでもないし(笑)。

ただ、自分が望んでいること、望んでいないこと、快いと思うかどうか、などには本当に敏感になりました。燃え尽きかけていたココロとカラダにも、エネルギーが湧いてきました。

自分が食事にうるさく言うからには、人にもそういう好き嫌いはあるだろうし、その日によって気分が違うだろうし。そういうことも身体で徐々に理解し始めている気がします。

 

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最近ハマっているのは、スパイス料理でして…その話を書こうと思ったんですが、全然違う話になっちゃった。写真は最近行ったお店のです。いつか別の機会に。

 

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